第22回杜の宮市のこと
2024年5月4日(土)10時から16時、一宮市のまちなか、尾張国一宮真清田神社(ますみだ)から本町通りやその周辺で、第22回杜の宮市(もりのみやいち)が開催されます。
その開催の日の早朝、杜の宮市を立ち上げ、今は事務局をつとめる星野の個人的想いです。
杜の宮市は
杜の宮市は2001年6月に第1回か開催されました。真清田神社と市民グループの地域への想いが重なり、この一宮から広域に文化発信すべく、全て一般市民ボランティアの運営で始まり、今回に続きます。その主催団体名は「杜の宮市準備委員会」のまま、準備を未だにしています。
「あふれる」をテーマとした2016年からは、真清田神社の門前、本町通り商店街と全面的にコラボし、会場は約1.38kmに拡大しました。
2020年5月に開催予定でした第20回杜の宮市はコロナ禍拡大の中、2月に中止を決定、お預かりしていた出展料を全員の方に返金する作業に入りました。送金手数料だけでも寄付してとお願いしましたら60万円以上の寄附金をいただき、その資金を元に120枚のオリジナルAMABIEフラッグを駅前銀座通りに飾りました。「コロナを越えて つながる未来を」というメッセージとともに。
2022年5月、コロナ禍が明け始めた隙に、杜の宮市re:20thとして第20回を復興、昨年5月にも何とか開催することができました。
そして今年2024年5月、まだコロナ禍はくすぶるものの、2019年から4年ぶりにフルボリュームでの杜の宮市の開催となりました。
「文化とコミュニケーションの重層化」を衣食住すべてのクラフト手作りカルチャーで醸成しようとする杜の宮市が、コロナが薄れ、世界の社会活動が両悪ともに急拡大する今、トカイナカ一宮で、何を凝縮し、何を拡散し、何を蓄積するのか、問われています。神社の中からスタートした手づくりフェアが、街とコラボしてまちなか全域に拡大し、コロナを経て今言わば第3期の杜の宮市が始まろうとしているとことです。
どうぞ皆様、私達と一緒に、杜の宮市を造ってください。
宮市メモリー2001-2024
今年は2つの新しいことがありました。そのうちの一つが「宮市メモリー2001-2024」という企画です。
今回の急ピッチな準備過程のなか、スタッフのKちゃんの一言「お客さんも、スタッフも、杜の宮市がどうやって生まれたとか、どんなことをしてきたのかとか、どんな毎年だったかとか、分からないんですよねぇ~。何かそういう展示をしたいんでけどぉ~」を受けて企画がスタート。オリナス一宮を会場に、杜の宮市の初回から現在に至るパンフレットやオリジナル手ぬぐい、バッジなどを展示する企画です。ずっと杜の宮市を画像におさめてくださってきた佐藤正晴さんの写真や他の写真も多く展示されます。
間近に迫っている25周年とか25回とかのタイミングまで我慢した方が良い企画のような気がしましたし、スタートから遅れて準備時間が無い中で、やれるの?とも思いましたが、Kちゃんたちメモリーチームはどんどん作業を進めます。大変な作業が進む中、私は展示の更なるクオリティをチームに求めて、更に作業を大変にしていきますが、見事に準備を済ませました。走るに走ってきた24年の作業を見事に切り取ってくれました。企画のタイトルも当初は「宮市メモリー」だけでしたが、それだと過去への追慕みたいな感じなので、区切りとしてのタームを入れることとなりました。
第1回から残るスタッフは数人、高齢化も進む中、年寄りの懐古趣味では無いのかという気持ちもあります。ただこの24年間は私たちスタッフだけの時間ではなく、多くの方に守り育てていただいた時間でもあります。こうして、この一宮で、この尾張地域で、倒れず、停まらず、活動を続けて来たよ、何とか生き残ったよ、皆さんと一緒にね・・・そんな「宮市メモリー」かもしれません。
シン杜の宮市準備委員会
もう一つの新しいことが、新しい形の運営ユニット。ほとんど星野抜きで今回の準備が進んだことです。
年寄りの自画自賛ですが、2000年からずっと、ヒトモノカネ多くの部分を私が準備してきました。全体の企画やマニュアル作り、ウエブページやデザインの原案、募集や選考のシステム、当日のイベント、予算の管理、広告の調整・・・どの部分も私が主に担当してきました。
他方、杜の宮市の活動を大きな柱としつつ、2007年2月には特定非営利活動法人志民連いちのみやが設立されます。志民連いちのみやは杜の宮市だけでなく、七夕まつりの市民化活動「ラブたな」、犬型のアート作品をラウンドアバウト(駅前ロータリー」に飾る「ラウンドアバウトドッグ」、クラフトビールとクラフト飲食の「クラフトビアパーティ」、TGCのBISHU FES.に伴う「BISHU FES.marche」、中間支援の「一宮市市民活動支援センター」など、時々の地域文化地平、市民社会の動向に応じて活動をタテヨコに拡大していきます。
さらに一宮市の「まちなかウオーカブル事業」が始まると、志民連いちのみやは都市再生推進法人の指定を受け、専門家たちとともに社会実験の推進役をつとめていくことになります。やがて地域のまちづくり基盤として「一宮まちなか未来会議」が設立され、その企画運営を担っていきます。
その間、杜の宮市はコロナ禍で空隙はできたものの、運営のしかたや関係者とのかかわり、ギリギリながら資金的安定とスタッフの経験値が蓄積していました。また志民連いちのみやの活動の煩雑さで、私に物理的な時間が足りません。杜の宮市の準備を、次の世代にバトンタッチすべく何度かトライしてきました。新スタッフも探し続けてきました。しかし時間切れでいつもうまく行かずにきました。
そして今回、一宮まちなか未来会議の作業が異常な量となる中、2023年秋の杜の宮市準備スタートの段階で宣言しました。私はやらないやれない、それでも皆でやるなら、やってほしいと。杜の宮市は膨大な準備作業があり、半年以上前の10月にはスタートしないと間に合わないのですが、やるでもやらないでもない、はっきりしない悶々とした時間が過ぎていきます。12月の声を聞くころになってやっと、やる、ということになりました。既に開始が遅れており、ハラハラドキドキ綱渡りの作業風景が続いていきました。
今回の第22回杜の宮市は、私が知らないことがある初めての杜の宮市です。次の世代での準備により成立した、新しい杜の宮市です。(次の世代と言っても、すごく若返ってはいませんが。)表立った変化は無いですが、杜の宮市の中で、また市民活動一般としても、とても大きな一歩、深い節目を越えた今回の開催となります。
準備のプロセスでは、やはりトラブルもあり、出展の方や出演の方、関係者の皆様には様々にご迷惑をおかけしました。どうぞこの大きなシフトチェンジのことをご理解いただき、ご容赦ください。
今日は晴天。過去の杜の宮市でも、雨天の心配が全くない時は何回あったでしょう。晴天の下(水分補給しつつ)シン世代の杜の宮市準備委員会とともに、第22回杜の宮市を造ってください。地域と文化の未来、シン世代の人々のために。
2024年5月4日朝 杜の宮市ファウンダー・事務局 星野博
追:活動のコアになる新たな世代の新たなスタッフを強く募集しています。杜の宮市だけでも、一宮のまちづくり全体にかかわることでも、ボランティアとしても有給スタッフとしても、様々に、地域へコミットする方「まちズン」を探しています。文化とコミュニケーション。皆さん自身の杜の宮市、皆さん自身の一宮地域をつくっていきましょう。